脳の構造と働き

人間の脳は複雑な構造をしており、さらに造りが非常に細かいので、何がどうなっているのかわかりにくくなっています。しかも、脳の働きが働きなだけに、そうやすやすと開頭して中を調べるなんて事ができるはずもありません。最近まで脳の仕組みがよくわからなかったのはそのためです。

技術の進歩により、直接じゃなくても細部まで調べられるようになったことで、脳に関する研究は飛躍的に進んだのです。

脳の構造

脳


この図は、人間の脳を横から見たものですが、各部にそれぞれ名前がつけられています。

そして、働きも各々によって変わってきますが、詳しくはこの後で見ていきましょう。

この中の「前頭葉」「頭頂葉」「側頭葉」「後頭葉」の4部位をまとめて大脳といいます。

また、この中の脳幹のうち、上部を中脳、下部を間脳と呼んで区別することもあります。


脳の成分

脳には、約140億個もの神経細胞があります。しかし、これは脳全体で見るとわずか1割程度にしか過ぎず、残りはグリア細胞という神経細胞に栄養を送る役割を持つものです。

かつて、「人間が使う脳は1割くらいで、残りの9割は使うことなく一生を終える」なんて言われていましたが、それは神経細胞が1割しか存在せず、残りの9割を占めるグリア細胞が何の役にも立っていないと思われていたからです。

しかしながら、近年の研究により、グリア細胞にも神経細胞同様に情報を伝達する役割を担っているらしいことがわかってきました。そのため、現在ではこの話は通用しなくなっています。

脳の情報伝達の仕組み

脳には無数の神経細胞が存在しており、この神経細胞の結びつきによって情報が伝達されたり、記憶として残ったりしているわけですが、この脳の仕組みについてもある程度のことが判明しています。

ニューロンとシナプス

ニューロン

神経細胞のことをニューロンといいます。

そして、脳のニューロンの結合間に信号が送られることによって情報が伝達されていくわけですが、この結合部分は情報が伝わりやすいような特殊な構造をしており、この構造のことをシナプスと呼んでいます。

余談ですが、一時期話題になったニューロコンピュータのニューロはこの言葉からきています。

ニューロンの構造

ニューロン構造

ニューロンの先は、樹状突起と呼ばれており、文字通り何本もに枝分かれしている構造を持っています。

つまり、ニューロン同士が1対1でつながっているのではなく、1つのニューロンがたくさんのニューロンとつながっているわけです。このことにより、脳の中にはより複雑な神経構造が生ま

れており、脳の研究を進めてもわからないことが存在する一因にもなっています。

新しい記憶はどのように生まれるのか

情報が伝達することによって記憶や知識が引き出されるというのはわかっていますが、では、新しい物事が起こって記憶するときに、脳の中に何らかの変化があるのでしょうか。

普通なら、ニューロンの先が伸びて、他のニューロンと結合することによって新たな記憶が作られると考えられそうです。しかし、ニューロンは新たなシナプスを形成することはないことがわかっています。では、どのようにして人間の脳では新たな記憶が形成されるのでしょうか。

最近の説では、シナプス間の情報伝達量に変化が生じているからだと言われています。つまり、今までシナプスはあったけれども情報伝達として機能していなかったところが機能することで新たな記憶が作られていくのだろうというわけです。

しかし、これを証明するだけの決定的な証拠はまだ見つかっておらず、各研究者がその証拠を求めて日々研究が進められています。

ニューロンは再生しない?

脳の細胞は、一旦破壊されてしまうと元には戻らないとよく言われています。従って、新たなシナプスができるはずがないということからさっき述べた記憶方法が推測されています。

しかし、本当にニューロンが再生されないのかどうかは実はわかっていないというのが本当のところです。脳の中に神経細胞を新たに作り出せる幹細胞というものが見つかっており、新たなニューロンが作られている可能性も出てきているのです。

もしそれが判明すれば、記憶の作られ方の議論にも大きな変化があるかもしれません。このことについては現在研究中であり、今後新たな事実がわかるかもしれませんね。


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